看護師の求人票の読み方|「月収32万円」の内訳とみなし残業の見抜き方

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看護師の求人票の読み方

求人票の「月収32万円」は、そのまま毎月振り込まれる金額ではありません。夜勤を月4回こなし、残業が月20時間あって、ようやく届く金額、ということがよくあります。

転職で失敗する原因の上位が、この読み違えです。入職してから「思っていた額と違う」と気づいても、契約を結んだ後では動けません。

この記事では、求人票のどこを、どういう順番で見るかを具体的に説明します。

監修: 現役医師(放射線治療科・大学病院勤務)
医療機関の給与体系を採用側の立場から見てきた経験をもとに整理しています。


まず見るのは「月収」ではなく「基本給」

求人票の給与欄は、だいたいこう書かれています。

月給 320,000円
(基本給 210,000円、職務手当 20,000円、夜勤手当 60,000円(月4回分)、住宅手当 15,000円、調整手当 15,000円)

ここで重要なのは、320,000円ではなく210,000円のほうです。理由は3つあります。

理由1:賞与は基本給から計算される

「賞与 年2回・計4か月分」と書かれていた場合、その4か月分は基本給に対してかかります。

基本給21万円の職場基本給28万円の職場
月収の見え方32万円32万円
賞与(4か月)84万円112万円
年収差—+28万円

月収が同じでも、年収で28万円変わります。求人票の「月給」だけを比べるのは意味がありません。

理由2:退職金も基本給が土台

退職金の計算式は施設ごとに違いますが、多くは基本給×勤続年数の係数で決まります。長く勤めるつもりなら、ここが効いてきます。

理由3:夜勤手当は「夜勤をした分」しか出ない

上の例の6万円は、月4回夜勤に入ったときの金額です。体調を崩して夜勤を減らせば、その分そのまま減ります。夜勤を外れた場合、月6万円がなくなるということです。

⚠️ 夜勤手当を含んだ金額を「月給」として提示している求人は多いです。夜勤を含まない額がいくらかを必ず確認してください。


固定残業代(みなし残業)の見抜き方

求人票に次のような記載があれば、固定残業代です。

「調整手当 30,000円(時間外手当20時間分を含む)」
「月給に固定残業代(25時間分・42,000円)を含む」

これは「毎月20時間は残業する前提で、その分を先に払っています」という意味です。

確認すべき3点

  1. 何時間分が含まれているか(20時間なのか、45時間なのか)
  2. 超えた分は追加で支払われるか(法律上は支払われるべきものです)
  3. その時間を実際に残業しているか(残業ゼロでも支給されるのが固定残業代です)

時間数が大きいほど、その職場の残業が多いというサインです。45時間分の固定残業代が設定されている職場は、実際に45時間近く残業していると考えたほうが安全です。

時給に直してみる

固定残業代を含む月給は、時給に直すと見え方が変わります。

A病院B病院
月給320,000円300,000円
うち固定残業代45時間分なし
実働(月)160時間+残業45時間160時間
実質時給約1,561円約1,875円

見かけの月給が高いA病院のほうが、時間あたりでは安くなります。転職先を比べるときは、必ず時給に直してください。


「年収例」のからくり

「年収例:450万円(経験5年)」という記載には、条件が隠れています。

  • 夜勤が月4〜5回入った場合の金額
  • 残業代が満額計上されている
  • 賞与が満額支給された年の金額
  • 住宅手当や扶養手当が付く人の金額

求人票の年収例は、その職場で取りうる上のほうの数字です。自分に当てはまる条件かどうかを、一つずつ確認してください。特に、住宅手当は「世帯主であること」「賃貸であること」など条件が付くのが普通です。


給与の内訳や残業の実際は、求人票だけでは分からないことが多い部分です。当サイトのランキングで1位に挙げているレバウェル看護は、職場訪問による内部情報を持っているため、「実際の残業時間」「夜勤回数の実態」といった、聞きにくい部分の裏取りに使えます。登録・相談は無料です。

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休日の数え方で、年間の働く日数が変わる

給与の次に見落とされるのが、休日欄です。

表記意味
年間休日120日週休2日+祝日+年末年始に相当。恵まれている部類
年間休日105日週休2日のみに近い。法定の下限に近い水準
4週8休4週間で8日。月によって休みの数が変わる
4週6休4週間で6日。年間休日は100日を切ることも
シフト制日数の記載を必ず確認する

年間休日105日と120日では、年間15日=3週間分の差になります。給与が月1万円高くても、休みが15日少ないなら、割に合っているかを考える必要があります。

有給の消化率も聞く

年間休日とは別に、有給がどれくらい取れているかを聞いてください。「付与20日・取得5日」の職場と「付与20日・取得15日」の職場では、実際に休める日数が10日違います。


求人票の言葉の読み替え

採用側の言い回しには、共通するパターンがあります。すべてが悪いわけではありませんが、確認が必要なサインとして読んでください。

求人票の表現確認すべきこと
アットホームな職場人間関係が密。合わないときに逃げ場があるか
未経験者歓迎・ブランクOK教育体制が実在するか。人が辞めていないか
若手が活躍中中堅・ベテランが残っていない可能性
幅広い業務を経験できる一人あたりの業務範囲が広い可能性
意欲のある方残業や委員会活動が多い可能性
随時募集・通年募集離職率が高い可能性
頑張りを正当に評価評価制度の中身を確認する

「離職率はどれくらいですか」「この病棟で直近1年に何名退職されましたか」は、面接で聞いて構いません。答えを渋る場合、その反応自体が情報になります。


応募前チェックリスト

求人票を見たら、次の10項目を確認してください。

  1. 基本給はいくらか(手当を除いた額)
  2. 夜勤手当は何回分が月給に含まれているか
  3. 固定残業代の有無と時間数
  4. 固定残業を超えた分は追加で支払われるか
  5. 賞与は基本給の何か月分か(「実績」か「保証」かも確認)
  6. 昇給の有無と、直近の実績
  7. 年間休日の日数
  8. 有給の取得実績
  9. 各種手当の支給条件(住宅・扶養・通勤)
  10. 試用期間中の給与が下がらないか

10番目は見落とされがちです。「試用期間3か月は月給の90%」と書かれていることがあります。


内定が出た後にやること

口頭の説明と書面が食い違うことがあります。必ず「労働条件通知書」を書面(またはメール)で受け取ってください。 これは法律上、雇用主に交付が義務づけられている書類です。

確認するのは次の項目です。

  • 賃金の内訳(基本給・各手当・固定残業代の時間数)
  • 就業場所と業務内容
  • 勤務時間と休憩
  • 休日・有給
  • 契約期間(期間の定めの有無)

条件が求人票と違っていた場合、サインする前が唯一の交渉のタイミングです。交渉のしかたは看護師の年収交渉術で整理しています。

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まとめ

  1. 見るのは月収ではなく基本給。賞与も退職金もここから計算される
  2. 夜勤手当は夜勤を減らせば消える。含まない額を確認する
  3. 固定残業代は時間数を確認。大きいほど残業が多い職場
  4. 比較するときは時給に直す
  5. 年収例は条件が揃った場合の上限に近い数字
  6. 年間休日105日と120日は3週間分の差
  7. 有給は「付与」ではなく取得実績を聞く
  8. 応募前に10項目のチェックを通す
  9. ⚠️ 内定後は労働条件通知書を書面で受け取る。サイン前が交渉の期限

求人票は広告です。良く見えるように書かれているのが当たり前という前提で読むと、判断を誤りません。

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本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。給与体系・休日日数・手当の条件は施設ごとに異なります。労働条件の詳細は各施設の労働条件通知書および就業規則でご確認ください。

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