准看護師から正看護師になるには【2026年に要件が変わりました】通信制5年・進学ルート・費用を解説

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准看護師から正看護師になるには【2026年に要件が変わりました】

准看護師として働きながら「いつかは正看護師に」と考えている方にとって、2026年は制度が動いた年です。

これまで通信制の2年課程に入学するには准看護師としての実務経験が7年必要でした。それが2026年(令和8年)4月1日から5年に短縮されました。

7年と5年では、人生設計への影響がまったく違います。「あと数年待たなければ」と諦めていた方が、条件を満たしているケースがあります。

この記事では、進学ルートの選び方、要件、費用、そして働きながら通う現実を整理します。

監修: 現役医師(放射線治療科・大学病院勤務)
医療現場で准看護師・看護師の双方と協働する立場から、資格の違いと現場での扱いを踏まえて解説しています。


2026年4月の改正内容

まず、今回の変更点を正確に押さえます。

保健師助産師看護師養成所指定規則の一部を改正する省令が令和7年2月25日に公布され、令和8年(2026年)4月1日から施行されました。これにより、看護師学校養成所2年課程(通信制)の入学要件が変わっています。

改正前改正後(2026年4月1日〜)
通信制2年課程の実務経験要件7年以上5年以上

准看護師として5年働いていれば、通信制への道が開けます。「まだ7年経っていないから」と情報を止めていた方は、一度確認する価値があります。

なお、実際の出願資格や実務経験の算定方法は学校ごとに細かな規定があります。必ず志望校の募集要項で確認してください。


進学ルートは3つ

正看護師になるには、看護師学校養成所の「2年課程」を修了し、看護師国家試験に合格する必要があります。2年課程には3つの形態があります。

形態修業年限実務経験の要件働きながら
全日制2年高卒なら不要/中卒は実務3年以上難しい
定時制3年高卒なら不要/中卒は実務3年以上可能な場合が多い
通信制2年実務5年以上(2026年4月〜)可能

① 全日制(2年)

昼間に通学する形態です。学習環境としてはもっとも充実しており、実習も手厚く行われます。

高校を卒業していれば、実務経験は不要です。准看護師の資格があればすぐに進学できます。

一方で、働きながらの両立は現実的に困難です。収入が途切れる期間をどう乗り切るかが最大の課題になります。

② 定時制(3年)

夕方以降に通学する形態です。修業年限は3年と長くなりますが、日中働きながら通えます。

要件は全日制と同じで、高卒なら実務経験は不要です。

課題は体力と継続性です。日勤で働いてから授業に向かう生活を3年続けることになります。通学時間も含めて現実的かどうか、事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。

③ 通信制(2年)

自宅学習が中心で、スクーリング(通学)は限られた日数に集約されます。働きながら資格を目指す人にとって、もっとも現実的な選択肢です。

ここに実務経験5年以上という要件がかかります(2026年4月〜)。

学校数が限られているため、地理的な条件も確認が必要です。


通信制の実際

働きながら目指す人が多いルートなので、もう少し詳しく整理します。

学習の進み方

  • 自宅学習が中心:紙の教材やeラーニングを使った学習が主体
  • スクーリング:年に一定日数、学校に通う期間があります
  • 課題提出(レポート):これが想像以上に大変だという声が多い
  • 臨地実習に相当する学習:通信制でも実習に相当する科目があります

費用の目安

通信制の場合、2年間の総額でおおむね100万〜150万円程度が目安とされています。ただし学校によって差があるため、必ず志望校の情報で確認してください。

これに加えて、教材費・交通費・スクーリング時の宿泊費などがかかります。

使える支援制度

費用面では、次のような制度を確認する価値があります。

  • 教育訓練給付制度(雇用保険の被保険者期間などの要件あり)
  • 看護師等修学資金貸与制度(都道府県・病院が実施。一定期間の勤務で返還免除となる場合がある)
  • 勤務先の奨学金・支援制度(病院が独自に持っている場合がある)

特に勤務先の支援制度は見落とされがちです。「進学したい」と伝えると支援が受けられるケースがあるので、まず職場に確認してみることをおすすめします。

ただし、支援を受けると一定期間の勤務義務(お礼奉公)が発生することが一般的です。途中で転職しにくくなる点は、契約内容をよく読んで判断してください。

続けるためのコツ

通信制の最大の壁は、孤独と時間管理です。

  • 学習時間を「毎日この時間」と固定する
  • 同期とつながる(SNSや学校のコミュニティ)
  • 職場に進学を伝え、シフトの相談ができる状態にしておく

3つ目が特に重要です。スクーリングや国家試験の時期に休みを取れるかは、職場の理解に左右されます。進学を考えるなら、まず職場に相談できる関係を作っておくことが実質的な準備になります。


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正看護師になると何が変わるか

資格を取ることで、実際に何が変わるのかを正直に整理します。

1. 業務における位置づけ

准看護師は、医師・歯科医師または看護師の指示を受けて業務を行う資格です。看護師は、自らの判断で療養上の世話を行い、看護計画の立案や他のスタッフへの指示も担えます。

現場では、この違いが役割の幅として現れます。

2. 昇進・役職の可能性

主任・師長といった管理職は、実質的に正看護師であることが前提になっている職場がほとんどです。キャリアの天井が変わるというのが、もっとも大きな違いかもしれません。

管理職への道については看護管理職(看護師長・主任)への昇進転職ガイドで整理しています。

3. 給与

一般に、正看護師のほうが給与水準は高く設定されています。ただし差の大きさは施設によってかなり異なります。同じ職場で資格を取った場合にどれだけ変わるかは、勤務先の給与規程を確認するのが確実です。

給与の考え方は看護師の給料は安い?年収アップする転職先もあわせてご覧ください。

4. 転職の選択肢

これが実は大きいポイントです。求人の中には「正看護師のみ」と条件を付けているものが少なくありません

訪問看護、治験関連、産業保健、行政保健師へのルートなど、准看護師では応募できない職場が存在します。選択肢の幅そのものが変わります。


「取るべきか」の判断軸

正直に言えば、全員が取るべきとは思いません。判断の軸を整理します。

取る価値が高い人

  • 年齢的にまだ長く働く予定がある(投資を回収する期間が長い)
  • 管理職を目指したい
  • 訪問看護など、正看護師資格が必要な分野に興味がある
  • 職場に支援制度がある
  • 実務経験5年をすでに満たしている(通信制が使える)

慎重に考えたほうがいい人

  • 定年が近い
  • 現在の職場・働き方に十分満足している
  • 家庭の状況で2〜3年の学習時間を確保するのが難しい
  • 支援制度がなく、費用の負担が重い

「周りが取っているから」ではなく、「自分がこの先どう働きたいか」から逆算してください。資格は手段であって目的ではありません。


よくある質問

Q. 働きながら本当に取れますか?

通信制であれば、実際に多くの方が働きながら取得しています。ただし楽ではありません。課題提出とスクーリングの負担は現実的にあります。職場の理解を得られるかが成否を分けます。

Q. 国家試験の準備はどうする?

学校のカリキュラムに沿って進めるのが基本です。通信制の場合、自己管理の比重が大きくなるため、早めに過去問に触れておくことをおすすめします。

Q. 実務経験5年は連続していないとダメ?

算定方法は学校ごとに規定があります。ブランクがある場合の扱いは、必ず志望校に直接確認してください

Q. 転職してから進学したほうがいい?

進学支援制度のある職場に移ってから、という選択肢は現実的です。ただし転職直後は支援制度の対象外となる場合があるため、条件を確認してから動くことをおすすめします。

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まとめ

  1. 2026年4月1日から、通信制2年課程の実務経験要件が7年→5年に短縮された
  2. 進学ルートは全日制(2年)・定時制(3年)・通信制(2年)の3つ
  3. 高卒なら全日制・定時制は実務経験不要。中卒は実務3年以上
  4. 働きながらなら通信制が現実的。費用の目安は2年で100万〜150万円程度
  5. 勤務先の支援制度をまず確認する。ただしお礼奉公の条件も要チェック
  6. 資格取得で変わるのは、給与より役割の幅・管理職への道・応募できる求人の範囲
  7. 出願資格・実務経験の算定は学校ごとに違う。必ず志望校の募集要項で確認

「7年待たないと」と思っていた方は、条件が変わっています。まずは実務経験の年数を数えてみてください。

キャリア全体の設計については看護師のセカンドキャリアもあわせてご覧ください。


本記事の情報は2026年9月時点のものです。制度・入学要件・費用は変更される場合があります。出願資格および実務経験の算定方法は学校ごとに異なりますので、必ず志望校の募集要項および厚生労働省・日本看護協会の公表情報をご確認ください。

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