訪問診療クリニックの看護師|訪問看護との違いと、診療同行という働き方

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訪問診療クリニックの看護師

在宅医療に関わる看護師の求人には、大きく2つの種類があります。訪問看護ステーションと、訪問診療クリニックです。

名前が似ているので混同されがちですが、仕事の中身はかなり違います。訪問看護は看護師が単独で訪問し、看護計画に沿ってケアを提供します。訪問診療クリニックの看護師は、医師に同行して、診察の補助と調整を担います。

この記事では、後者の実際を整理します。

監修: 現役医師(放射線治療科・大学病院勤務)


訪問看護との違い

訪問診療クリニックの看護師訪問看護ステーション
誰と行くか医師と同行(1人で行くこともある)単独訪問が基本
主な役割診察の補助・処置・調整・記録看護計画に基づくケア
判断の重さ医師がその場にいることが多い自分で判断する場面が多い
1日の訪問件数多い(1日10〜20件のことも)4〜6件程度
1件あたりの時間短い(10〜30分)長い(30〜60分)
運転する(社用車)ことが多いすることが多い
オンコールクリニックによるあることが多い
医療の深さ疾患管理・処方の流れが見える生活とケアを深く見る

「医師の判断をすぐ近くで見られる」のが最大の違いです。処方が変わる理由、看取りの判断、家族への説明。これを毎日、何件も見ることになります。


1日の流れ

だいたい、こういう動き方になります。

時刻内容
8:30出勤・カルテ確認・物品準備・当日のルート確認
9:00午前の訪問へ出発(医師と同乗)
9:15〜12:005〜8件を回る(診察補助、採血、処置、家族への説明)
12:00昼休憩(車内や事業所で取ることも)
13:30〜17:00午後の訪問(5〜8件)
17:00帰所・記録・翌日の準備・薬局や連携先への連絡
18:00退勤

実際にやること

  • バイタル測定、採血、点滴、尿道カテーテル交換、褥瘡処置
  • 医師の診察の介助と記録
  • 家族への説明の補足(医師の説明を、生活の言葉に翻訳する)
  • ケアマネジャー・訪問看護ステーション・薬局との連絡調整
  • 訪問ルートの組み立て、物品の補充

調整業務の比重が大きいのが特徴です。医師が診察に集中できるよう、周辺を整える役割になります。


求められること

1. 運転

ほとんどのクリニックで、社用車の運転があります。ペーパードライバーだと厳しいのが正直なところです。都市部では自転車のこともあります。

2. 段取り力

1日10件以上を回るため、時間どおりに動けるかどうかが業務の質を決めます。物品の不足、道順の読み違え、記録の遅れが、そのまま残業につながります。

3. 家族と話せること

在宅では、患者さん本人だけでなく家族が医療の担い手です。吸引の手技、薬の管理、急変時の連絡先。これを、医療者ではない人に伝わる言葉で説明する力が要ります。

4. 病院とは違う前提を受け入れられること

物品は限られ、無菌操作にも限界があります。「病院ならこうする」を持ち込みすぎると、続きません。 その家にある物で、どう安全を確保するかを考える仕事です。


年収とオンコール

項目目安
年収400万〜550万円程度
基本給病院の日勤常勤と同等かやや高め
夜勤なし(オンコール対応はあり得る)
オンコール手当1回3,000〜10,000円程度
賞与クリニックによる差が大きい

※地域・法人規模・オンコールの有無で変わります。

夜勤がないのに、病棟常勤と同等かそれ以上になることがあるのが、この働き方が選ばれる理由です。ただし、オンコールがあるクリニックでは、夜間に呼ばれる可能性があります。

確認すべきこと

  • オンコールは月に何回の当番か
  • 実際に呼ばれる頻度(当番でも鳴らない日が多いのか)
  • 呼ばれたときは医師も一緒に行くのか
  • 看取りの時間帯の対応はどうなっているか

看取りに立ち会う機会は、病院よりむしろ多くなります。これを重いと感じるか、やりがいと感じるかは人によります。


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向いている人・向いていない人

向いている人

  • 患者さんの生活の場で医療に関わりたい
  • 夜勤を外したいが、収入は落としたくない
  • 医師の判断の過程を間近で学びたい
  • 段取りを組むのが得意
  • 運転が苦でない

向いていない人

  • 1つのケアにじっくり時間をかけたい(訪問看護のほうが向きます)
  • 運転が苦手、または免許がない
  • 自分で判断して動くことにやりがいを感じる(同様に訪問看護向き)
  • 天候に左右される仕事が負担(雨の日も雪の日も回ります)

「在宅に興味がある」だけで選ぶと、訪問看護と取り違えます。 単独で判断したいのか、医師と一緒に動きたいのか。ここで分かれます。訪問看護の実際は訪問看護へ転職する前に知っておくべきことで整理しています。


面接・見学で確認すること

確認項目質問の例
訪問件数「1日あたり平均何件訪問されますか」
同行の体制「医師との同行と、看護師単独の訪問の割合を教えてください」
運転「運転は看護師が担当しますか。ドライバーの方はいますか」
オンコール「オンコールは月何回で、実際に呼ばれる頻度はどのくらいですか」
記録「記録はタブレットなど訪問先で入力できますか」
残業「帰所後の記録を含めて、退勤は何時ごろですか」
看取り「年間でどのくらいの方をお看取りされていますか」

記録の方法は地味ですが重要です。訪問先でその場で入力できるか、帰ってから全件入力するかで、残業時間がまったく違います。

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まとめ

  1. 訪問診療クリニックの看護師は、医師に同行して診察を支える仕事
  2. 訪問看護(単独訪問・看護計画)とは役割が違う
  3. 1日10〜20件を回ることもあり、段取り力が求められる
  4. 運転が業務に含まれることがほとんど
  5. 家族への説明が重要。医療者でない人に伝わる言葉が要る
  6. 年収は400万〜550万円程度。夜勤なしでこの水準になるのが強み
  7. ⚠️ オンコールの回数と実際に呼ばれる頻度は必ず確認する
  8. 看取りに立ち会う機会は病院より多い
  9. 記録の方法(訪問先入力か帰所後か)が残業時間を左右する

在宅医療は、これから確実に需要が増える領域です。病院の中では見られない医療の形を知る場所として、経験の価値も高い働き方です。


本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。業務内容・給与・オンコール体制はクリニックごとに大きく異なります。詳細は各施設にご確認ください。

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